中国初の時価総額2兆円越えファッションブランド「SHEIN」
Z世代の女子大生なら「SHEIN」という言葉は一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
今、Z世代の間で爆発的な人気を誇っているファッションブランド「SHEIN」。
友人A「その服どこで買ったの？可愛い〜」
友人B「えーこれSHEINだよ〜〜。」
なんて会話は日常茶飯事です。
そんな、突如彗星の如く現れたSHIENですが、ここまでZ世代の間で広まったのには、しっかりとしたマーケティング戦略が隠されています。
今回は、なぜここまでSHEINは爆発的に広まったのかについてマーケティング戦略、特にインフルエンサーを使ったSHEINの巧みな戦略について解説していきます。
インフルエンサーマーケティングによるPR
今でこそ、こんなに人気なSHEINですが、実は初めからうまくいっていたわけではなかったのです。初めは、ウェディング事業を行なっていましたが、うまくいきませんでした。何度も事業転換を重ね、2015年に前の事業をリブランディングする形で始まったのがSHEINなんです。
そのSHEINがかなり力を入れて取り組んだ戦略がインフルエンサーを使った戦略です。この戦略は、インフルエンサーの中でもかなり影響力を持つフォロワー100万超えのメガインフルエンサーとフォロワーが数万〜数十万ほどのインフルエンサーの両方を使い、大規模に行いました。
インフルエンサーを起用するのは、もちろんインフルエンサーのファンやSNSのフォロワーに対してのアプローチができるからです。インフルエンサーとコラボし、タイアップした動画や画像をSNSに載せることで、ファンやフォロワーはSHEINに対して信頼感が生まれ、購買に繋がるのです。
しかし、これにはもっと深い戦略が使われています。
皆さん、イノベーター理論という言葉を聞いたことはありますか？
イノベーター理論とは、商品がどのように普及していくのかを表したものです。
顧客、ターゲットという言葉がよく使われますが、彼らは必ずしも1つのパターンではありません。顧客の中でも、それぞれ性格は違い、イノベーター、アーリーアダプター、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガードという5つタイプに分類されます。
イノベーターは、全体の2.5%ほどしかおらず、とにかく新しいものが好きな人たちです。商品が販売された瞬間に買ってくれるような人たちです。
アーリーマジョリティは、全体の13.5%ほどで、イノベーターの様子を見ながら、購入をするような人たちです。インフルエンサーなどはここに当たる人が多いのではないのでしょうか。
アーリーマジョリティは、全体の34%おり、ちょっと流行に乗りたい！というような人やアーリーアダプターの人たちが買っているのを見ていいなあと思って買うような人たちです。
レイトマジョリティも全体の34%います。アーリーマジョリティに比べ、慎重に判断するような人たちです。物を買う判断基準は、”人が持っているか”という視点です。つまり、みんなが持っているから私も買わなきゃというような思考なんです。
最後、ラガードは頑固な人たちと覚えておけば大丈夫です。めちゃくちゃ遅い時期に買うか、買わないような人たちなので、ここの層は狙う必要はありません。
以上が5つの顧客の分類なのですが、イノベーター理論で1番大事なのがアーリーアダプターとアーリーマジョリティの間にあるキャズムです。これは、商品が普及するかしないかの境目であり、このキャズムを超えることができたら、商品は普及すると言われています。なので、商品を売るときには、キャズムを越えるような設計をして、売っていく必要があるんです。
さて、ここで思い出してほしいのがSHEINのインフルエンサー戦略です。
SHEINは、インフルエンサーを使い、そのファンに対し、アプローチしていましたよね。
ここでは、インフルエンサーはアーリーマジョリティの中でも早くに導入する人たちに当たるので、ここのインフルエンサーに広められたら、そのファンやフォロワーに広まり、キャズムを超えることになります。
つまり、SHEINがインフルエンサー戦略を使ったのには、インフルエンサーを使ったら大衆に広まるという単純な考えではなく、インフルエンサーを大量に起用したら、アーリーアダプターに広まるから、商品が普及しやすくなるという、イノベーター理論を使った考え方が隠されていたのです。
こうやって分析してみると、売れている商品にはちゃんとした経営戦略が隠されていて、面白いですね〜！
トキメク商品開発企画部では、このようなマーケティングの知識を学び、最終的に自分で社会に価値を生み出すことができるようになることを目指します。マーケティングは、どの職種でも、日常生活においても使うスキルなので、大学のうちから身につけておくことは本当に大事です。
新歓お待ちしてますっ！！
